■ 素人の撮影したビデオ鑑賞について
N氏が個人で撮影した「磯出大祭礼」のビデオを見せていただきました。
その内容がどうのこうのと言うのではなく、ビデオ撮影の一般論に付いて書いてみます。
ビデオは写真と違って、いろいろと角度を変えて広い範囲の映像を見ることが出来るので、雰囲気を伝えるには、良い
伝達手段ですね。
最初、広い画角で全体を説明しておいて、次第にズームアップして、目的の映像に絞り込んで写す。
ところが、あまり経験のない人が撮影すると、いきなりズームアップから始まり、延々と同じ場面を撮り続ける。
三脚の上にセットしてぶれが生じないようにしているせいなのか、あまり回りの変化に対して臨機応変に対応しない。
撮影している人は周りを見ているから状況が判るが、初めてビデオを見る人にはいきなりの映像で、意味の良く判らない
状態が続く。 しばらくして、やっと理解し始めた頃、プッツンと切れてしまう。
せめて最後に周りの雰囲気が判るような風景にでもつながっていれば良いのだが、たいていはプッツリと切れて
いきなり又別の場面が始まってしまうことが多い。
凝ってナレーションやバックミュージックでも入れれば理解してもらえるが、普通は入っている音は近くの雑音でしかなく、
目的の音はなかなか聞き取れないことが多い。
そう思った私なのですが、そうなるとプロであるNHKが放送する「磯出大祭礼」と見比べるのも面白いだろうな。
プロが撮るとこんなに違う! そんなことを比べられるチャンスはめったにありません。
こんなこと書くと、プロはどんな人? どんな機材で?と疑問に思うでしょ! その疑問にお答えします。
NHKって、こんなです。
今回のメインイベントは、田楽と大行列でした。
素人がビデオを撮るということを考えると、非常に難しい素材であったと言えます。
田楽は、笙や横笛に合わせて静かに舞われるので、その演奏を録音するため指向性の鋭いマイクを使い、演じる人の
動きを予測しながら録画しないといけません。 そうしないと、お面をかぶった人が舞台の上でうろうろしてる、そんな
ビデオになります。
行列は、530人もいるので、整然と!という訳にはいきません。 少し動いて立ち止まり、また動くといった連続でした。
この状況をビデオで再生すると、非常に間延びして感じます。
そんな時には、場面を変えて他の方向を写せば状況が良く判るのですが、先にも書きましたが、素人さんは、延々と
止まった行列の一部をアップで延々と撮り続けるのです。 もうこれだけ、延々が続くと見ている方は興味が薄れてきます。
しかも、きちんと三脚とかで固定して撮影しないと、ビデオを見る人が船酔い状態になってしまいます。これを知らないで、
行列と一緒に歩きながら撮影したビデオはもう最悪です。
こんな勝手なことを書けるのも、我が家にはビデオがないからです。 昔持っていたときには、上に書いたような失敗を
一杯しました。それも今は昔。
最近のデジカメは動画も取れますが、同じような注意が必要です。
なんて!ビデオのない今は、辛口批評家になって好き勝手なことが言えます。
■ まとめ
ビデオはちゃんと編集しないと、再び見ようとは思わない媒体です。 1時間かけて撮影して、編集で20分にすれば鑑賞に
耐えることの出来る作品になります。 しかし、撮影しただけの映像は早送りで見るしかないのです。
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