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■ 世界文化遺産 白川郷・五箇山の合掌造り集落

 白川郷の合掌造り集落は1995年12月9日にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
 対象となる集落は、庄川沿いの段丘面にあります。
 集落の歴史的景観とその周囲の自然環境が良好に保存されていて、日本を代表する歴史的遺産として高く評価されています。

 2006年のGW(ゴールデン ウィーク)真っ只中 2006/05/03の白川郷をご紹介しますね。 まだまだ山には雪が残っています。
 

 「合掌造り」は、切妻屋根を茅葺きで葺(ふ)いた家屋で、一般の日本の民家に比べて規模が大きく、屋根の勾配が急傾斜となっています。
 このような形式の家屋が造られたのは、降雪に対処することや、養蚕を行う為に小屋内の空間を広く大きくとる必要があったからです。
 多くの家屋では、屋内を上下に2〜3層、あるいは規模の大きな家屋では4〜5の階層構造に造って合理的な利用を図っています。
 

 現地に行って思ったのはよくもまあこれだけの巨大な建物を個人の財力で作ったものだということです。
 

 財力の秘密は? 養蚕と火薬の原料である硝石(硝酸カリウム)の製造、、、そんな江戸時代の知恵で作られた村落なのです。
 合掌造りの家の床底で蚕(かいこ)の糞から硝石を作るなんて、、、白土三平さんの「カムイ外伝」を読んだ私にはそれ位常識です。
 何処で硝石を作るのかというと実は床下なのです。 雨の降らない(水分の少ない)場所で、カイコの食べた桑の葉に含まれた原料から
 硝酸カリウムを合成する自然の営みとそれを知っていた江戸時代の人の知恵に感心させられました。

 その昔にマンガで読んだ知識と現実がここでピッタリと一致したのです。
 広くない農地ですから、米を年貢に納めることが出来なくても、鉄砲に使う火薬を作れるのですから、加賀藩も大事にしたことでしょう。

 とはいえ、30年毎に萱(かや)で葺き替えないといけない屋根って現在では維持するのが大変なものですねぇ。

 昔の火薬に代わって、現在では家屋の見学料300円がそれを補うのでしょうね。

 明善寺や鐘楼門庫裡などの風格ある建物の側で、もうすぐ田植えの季節ですが、、まだ雪が残っている、そんな情景でした。
  

 「萩町城跡」の展望台に登ると、集落が一望できます。 家の配置をみると、風の流れが判りますねぇ。 そう、ここでは単なる日当たりより
 風雪に対する配慮の方が優先されているのですねぇ。
 

 地表は汗ばむ程なのに2階に登り、障子を開け放つと、寒いほどの風が通り抜けます。 やはり、この感覚は現地に行かないと
 判りませんねぇ。 そうです、風を感じる為に400kmの道程をかけてここに来たのです。 いやー、至福の時を過ごすことが出来ました。
 

 早朝、朝日が茅葺の屋根に当たると、靄が立ちます。 山には残雪がありますが、季節は春なんです。
 

 裏山から、日が昇るところなのですが、、、朝靄がかかっていて、、、そんな風景を見たくてここに来たのです。
 

 

 朝の冷たい空気の中で、陰から陽へ変わる時間って私の一番好きな時間なのです。
 

 日が昇ると、朝靄は次第に消滅してしまいます。 もう、こうなると陽の世界だけので、あまりワクワク感は無くなります。
 

■ まとめ

 歴史と文化を楽しめる場所です。 金属を使わなくても、大きな家屋を建てることが出来る知恵って凄いです。
 木材を使い、それを再利用する昔からの知恵ってなかなかの物だと感心してしまいました。 再資源化するには、金属を使わないことが
 一番確実な事ですからねぇ。

 ところで、皆さんが写真を撮っているのは萩町城跡の展望台からなのです。 GWであるこの時期には桜が咲いています。
  

 桜と合掌造りの家屋 GW、、、この時期だけのお楽しみな1ショットなのです。 それが目的で今回の訪問をした私なのです。
 

 白川郷の名物は五平餅(200円)です。 展望台にある「お食事処 天守閣」さんでは、上の風景を満喫しながら名物をいただけます。
  

 萱の屋根を維持するってとても大変なことです。 展望台から降りてきた所の家屋がそう言いたげでしたよ。
 

 ある意味、囲炉裏の煙で屋根の萱を燻製状態にすることで、寿命を延していた合掌造りの建て屋ですが、「和田家」の屋根裏は燻製の
 匂いも無く、縄は真新しく観光客に媚びた状態でした。
 一方、明善寺の屋根裏は香しい香りと、黒く煤けた縄で絞めこまれた柱が芸術的な歴史を物語っていました。

 白川郷においては、灯油燃やすな! 薪燃やせ! が、世界文化遺産を残す為に必要なことのようです。
 

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