■ 石臼奮闘記 その12 (悩みは尽きない、、、、でも、原因が判明しました!)
どうやら、細かいそば粉が取れるようになった私の石臼ですが、また新たな問題が発生してしまいました。
以前、知人から「丸抜きのそばの実」をいただいたのですが、その知人が製粉所に依頼して、丸抜きから製粉したのです。
製粉所でロール挽きをおこなう場合、2〜3回に工程を分けて挽く作業を行うそうです。
一度に粉砕すると、粉が熱を持って(粉焼け)しまうので、粗挽き、中挽き、微粉末という行程で粉砕をするようです。
で、粗挽きに加工をした物をいただきました。 (とは言え、そばの実のカケラも見えない程度の粉です。)
普通ならそんな状態で粉屋さんから入手することなど出来ないのですが、今回は特別に入手しました。
丸抜きを挽くより、既にある程度挽かれているなら、効率良く良いそば粉が作れる!と、考えるのはごく自然な考えだと
思います。
で、この粗挽きのそば粉を挽いてみたのですが、現実は奇なり!ちゃんと、挽けないのです。
石臼からは、目の粗いそば粉がぼろぼろ出てきます。 出てきたそば粉を60目の篩にかけると、70%ほどのそば粉しか
取れません。 篩の中には、ざらざらとした粒子が沢山残っています。指で触ると、ざらざらとしています。
丸抜きのそばの実を挽いた時には一度挽いただけで、90%のそば粉が取れました。
粗挽きの方が、楽に良いそば粉が取れると思った私の考えは、完全に間違っていたのです。
見た目からしても、その差は明らかです。
粗挽き(下臼の上に荒いそば粉) 丸抜き(そば粉が上臼に!)
丸抜きの場合は、挽かれた粉は上臼に付着していますが、粗挽きの場合は下臼に付いています。
更には、そば粉の色が全く違います。同じ臼で、元は同じそばの実なのに、結果は大違いなのです。
(でも色の違いは、そばガラのようなので、同じ素材と言うのは疑わしいです。)
いやー、これを見ると、臼は嘘つかないって事ですね。
悩んでもどうなるものでもありません。 解決策は、丸抜きを入手することです。
石臼っていろいろ面白い体験をさせてくれます。
こうして出来たそば粉ですが、まだ、食べていないので、この粗挽きのそば粉の実力は判りません。
もしかすると、とんでもなく美味しいそば粉かもしれません。
効率は悪いが、まだ人類が食したことのない美味なる物が私の家にはあるかもしれないのです。
ね、そう考えると、失敗もプラスにすることができますよね。 で、味の評価は今後のおたのしみ!
PS.食べてみました。そばの香りもするし、おいしいそばがきになりました。 食べる分には、変わりはないようですね。
但し、そば粉が70%しか取れないのでは、やはり問題ありと言うことになります。
■ まとめ
最近、やっと原因が判りました。 どうも私が入手したのは、丸抜きから粗挽きをして、一番粉が取り去られたものだったようです。
これを石臼で挽いたのですから、白い粉が出なくても当たり前です。 香りが残っているのも、これで理解出来ました。
臼は嘘をつかないですねぇ。
製粉所の人が、「粗挽きの粉」と「一番粉」とを渡してくれれば、悩まずにすんだのですけれどねぇ。
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