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■ 石臼奮闘記 その15 そばのブランド品

 日本全国には、蕎麦の美味しい土地があります。

 日本科学技術大学教授 上田次郎氏によれば、「信州の黒姫の蕎麦が一番」だと、いうことです。
 助手の山田奈緒子女子なら、「上田! 嘘くせ〜♪」でお終いになるような話題です。
 でも、そば好きな人にとっては、これってとても気になる話題なのです。(私だけかな?)

 茨城には、蕎麦の品種として「常陸秋そば」というブランド品があります。
 この品種はもともとあった金砂郷で栽培されていた蕎麦の中から、実入りの良い(結実の良い)良質のそばの種を
 厳選したものです。
 最近は、県内の他の土地でも栽培されるようになり、「常陸秋そば」ブランドのそば粉は、比較的容易に購入出来る
 ようになりました。(道の駅などでも、売っています。)

 ここで、とある知人から常陸秋そばは、花の数が多いだけで、結実は普通の蕎麦の方が良い。
 花の数が多いので、実の数は普通の蕎麦より少し多いだけだと教えていただきました。

 という事で、登録品種の正式な内容をネットで調べてみました。

 登録品種の植物体の特性の概要

 この品種は、「金砂郷在来」より選抜、育成された固定品種である、生態型は中間型に属し、品質及び粒揃いが良く、
 茨城県地方の秋そば栽培に適する品種である。

 草型は直立分枝伸長型、草丈及び主茎長はやや長、主茎節数は中、茎の太さはやや太、茎色は淡紅、分枝数及び
 葉の形は中、葉の大きさはやや大、葉色は中、花色は白、登熟中の果皮色は白〜淡緑である。
 粒型は3稜型、粒の長さはやや長、粒の幅はやや広、粒の長幅比は中、果皮色は濃褐、1株稔実粒数はかなり多、
 粒重はやや重、子実リットル重は中、子実品質はかなり良、粒揃いはやや整、脱粒の難易は中である。

 開花期は中、成熟期はやや晩、生育日数はやや長、生熊型は中間型である。製粉歩留りはやや高、食味は中、
 耐倒伏性は中である。「金砂郷在来」と比較して、子実の品質及び粒揃いが良いこと、果皮色が濃褐色であること、
 粒重が重いこと等で、「信濃1号」と比較して、草丈及び主茎長が長いこと、茎が太いこと、粒重が重いこと、
 成熟期が遅いこと等で区別性が認められる。


 なお、「常陸秋そば」は1987年に品種登録されており、有効期限は15年間!ですって。

この他にも、どのように栽培すれば良いのかというご指導もあります。 ここで、営農1120号ご紹介!

営農1120号 2004/08/04  「常陸秋そば」の栽培のポイント

 近年、そばの消費量は増加傾向にあり、平成14年は約14万トンと、昭和40年代の3倍以上です。健康食として、さらには村おこしや手打ちブームなど、そばは今大変注目されています。「常陸秋そば」は、日本で一番味のよい品種と言われ、実需者から高い評価を受けています。「喜んで買ってもらえるそば」として、適切な栽培を行うことが重要です。
1.転換畑での圃場の準備
 最近は転換畑での作付けが多くなっています。そばは大変湿害に弱い作物で、特に出芽時は湿害を受けやすく、出芽率が低下します。出芽後も、生育の初期ほど湿害を受けやすく、生育の抑制が起こります。そのため、転換畑では次の点に留意してください。
1. 圃場の団地化を進める。
2. 心土破砕、弾丸や暗渠などによりすき床層を破砕して、透水性を良くする。
3. 圃場の周囲や圃場内に排水溝(明渠)を設け、地表水を速やかに除去する。
2.適期播種
 そばの栽培は適期播種が基本です。適期播種は倒状が少なく、子実も充実して多収となります。しかし、そばの播種適期幅は他の作物に比べてきわめて狭く、5日間程度しかありません。県内各地の播種適期は以下の通りです。
1. 県北山間地域   8月10 〜 15日
2. 県北地域      8月15 〜 20日
3. 県中央地域     8月20 〜 25日
4. 県南、県西および鹿行地域    8月24 〜 27日
3.播種量
 畦幅60pの慣行栽培では、目標苗立数はu当り100本程度で、播種量は10a当たり5sです。畦幅30pのドリル栽培や散ぱ栽培では、苗立数の目標をu当たり120 〜 140本とし、10aあたり5 〜 7sの播種量とします。
 播種時の注意点としては、播種直後に雷雨などによるかなりの降雨があると、土膜が形成され酸素不足による出芽不良になる恐れがあります。このことから、強い降雨が予想される場合は播種を見合わせます。また、播種時に土壌が乾燥している場合は、播種後に鎮圧を行い、毛管現象により土中から水分を供給することにより、出芽を均一にすることができます。
4.施肥
 そばは施肥量に敏感に反応する作物です。特に窒素が多いと草丈は伸びすぎ、倒伏し減収します。そのため、野菜栽培跡など前作の肥料が残っている圃場や、地力の高い圃場では無窒素とします。普通畑や地力の中庸〜低い圃場では、10a当たり窒素2sを施用します。りん酸、カリはいずれの圃場とも全量基肥でそれぞれ3s、4sを施用します。追肥は、生育の状況を見て着蕾期(蕾が確認できる時期:播種後約17日)から開花期までに窒素2sを施用します。この時期に追肥することにより、草丈をあまり伸ばさずに収量を確保することができます。
5.中耕・培土
 畦幅60pの慣行栽培では、中耕、培土は雑草抑制と倒伏防止に欠かせない作業です。9月上〜中旬の着蕾期頃に管理機等で高さ10pに培土することにより、雑草はほぼ完全に抑制できます。
 ドリル栽培や散播栽培では、播種時に雑草がなければ、そばの雑草抑制力により雑草害はおおむね実害のない程度に抑えられるため、できるだけ均一には種し、欠株がないようにすることが大切です。
6.病害虫対策
 連作畑や排水の悪い転換畑では立枯性病害により株が枯死し、収量低下を招きます。立枯性病害は出芽後まもなく発生し始め、開花期頃まで続きます。農薬はリゾレックス粉剤が登録されていますが、輪作の実施、排水対策の徹底が重要です。
 虫害としては、ヨトウムシ類による食害があります。登録薬剤にはロムダンフロアブル、ゼンタリー顆粒水和剤、レピタームフロアブルがあります。
 農薬の使用にあたっては、ラベルを良く読んで適期使用することが大切です。
7.収穫
 そばは開花したものから順次成熟し、成熟したものは脱粒しやすいので、刈取適期は手刈りや小型機械利用の場合、子実の70%〜80%が黒化した頃です。コンバイン(汎用コンバイン、大豆・そば専用コンバイン)収穫では、子実が80%〜90%黒化した頃収穫適期になります。手刈りとコンバイン収穫では10日程度の差があります。
 
収穫が遅すぎて霜にあうと、脱粒が著しくなります。また、過熟になると製品の風味が落ち、実需者の評価を悪くするので、適期収穫は大変重要です。
8.乾燥・調製
 機械乾燥は静置式乾燥機を使用し、通風のみの乾燥とします。やむを得ず火力乾燥とするときは、送風温度を30℃以下とします。子実水分が15%となったら、唐箕選を行います。特に過乾燥は、実需者にきらわれます。水分計を利用して15%を厳守します。
9.その他の注意点
 そばは他作物に比べて分枝数が少なく、苗立ちが悪いと収量は低下しやすくなります。また、花が実になる割合は10%〜30%と低く、特に開花期に雨が多いと訪花昆虫が少なくなり、収量は低下しやすくなります。
 これらの対策は、苗立ち数を確保することです。適切な播種量や圃場の排水対策は多収のための重要なポイントです。
 さらに、そばは他花受粉という特徴があります。また、花には短柱花と長柱花があり、同じ花同士では受精しません。この様な特性から、そばは稲や大豆に比べ交雑により品種特性が変化しやすい作物です。そのため、自家採種を繰り返すと、品種の劣化を招くおそれがあり、種子変更が極めて重要です。
資料提供:茨城県穀物改良(第196号)

 イヤー、なかなか蕎麦を栽培するのも難しいものですね。

 こんなに難しいなら、蕎麦を味わうということからすると、金砂郷の気候や土地で栽培された蕎麦粉で作るそばを
 金砂郷の地で食べるのが、究極のそば通の贅沢と言えるかも!
 ご当地、XXXを別の場所で食べても、???と思ったりすることがありますからね。

 茨城県は金砂郷の地に「赤土」という場所があります。ここは本当に山間部にある村です。
 山間の地は、昼と夜との寒暖の差が激しいので、蕎麦作りに適しています。きちんとメリハリのある温度にあえば、
 蕎麦だってこりゃちゃんとしないと、生き抜くことが出来ないな!と学習してくれます。

 幸い、金砂郷町にはそんな蕎麦を食べさせてくれるお店があるので、茨城県民としては嬉しい限りです。
 その地にあって、ちょっと有名な「そば工房」は赤土にあり、他県からの客も多い店です。
  

 赤土周辺は水田が作れないので、道路の周囲はそば畑が広がっています。 最近は、1口15000円ほどで畑
 (150平米)を貸してくれるオーナー制度があります。 種まきから秋の収穫まで体験出来て、取れたそばは自分の
 ものに出来ます。 申し込みは、5月上旬だそうです。(金砂郷町のHPより)
 口数の総数は30口で、4回ほどの農作業が出来る方のみの募集です。
 収穫量は、過去の実績で、玄そばで12kg〜17kgくらい。(お天道さまの気分次第!です)
 (平成14年は、蕎麦の花の開花時に生憎の台風が来ましたからね! 12kgでも仕方ないなぁ。)

 先日、行ったときには丁度、オーナー栽培ほ場でそばの乾燥をしているところでした。
  

 場所的に限られた耕地面積しかありませんので、赤土の蕎麦はチョー!ブランド品です。
 東京当たりのお店が来て、高値で買うものだからなかなか地元の人の口に入りません。

 ところが、、、、今回、そのスペシャルプランドの正真正銘、金砂郷町赤土の蕎麦の丸抜きを運良く、いただきました。
 今回、それを挽いてみましたが、水府のものと比べてみましょう!
  きれいな丸抜きです。

 挽く前に、水府村の実と赤土の実を比べると、赤土の実の方が、一回り小さいです。
 私の感覚的な話題です。2つを直に見ないと判らないほどの差です。

 比較写真
  私の臼は、そば粉が上臼に付いてしまいます。そば粉の付き方で吉凶を占う!ことが出来るかも!
  卑弥呼は亀の甲羅で占いましたが、私は臼で!

  赤土の丸抜きを挽くとこうです!             水府村を挽くと、あまり付きません!
  

 上臼の表面を見ると、金砂郷町の赤土のそば粉の方がしっとりとした感じで、きめが細かく、付着しています。
 そばをまとめる為には、このしっとり感が必要だと、鉄腕ダッシュ!で言ってました。
 このそば粉なら、初心者の私でも、十割そばが打てるかもしれません。
 (私の石臼は、私が独断と偏見で微調整していますので、世間様の常識からは逸脱しているかも!)

 こりゃ、そばの本物を本物と感じる舌を私がもっているのか修行をする良い機会です。
 ドッチの料理ショーに出てきてもおかしくない蕎麦の実、それを私が所有する臼で挽き、自分の味覚を試す、、、
 これぞ、究極の修行だと思います。

 そばの場合、普通なら三たてとは、挽きたて、打ちたて、茹でたてですが、私の場合には、蕎麦掻きですので、
 挽きたて、掻きたて、、、なので、二たてとなります。

 「観天望気流秘儀ニたて蕎麦掻」の奥義を極めるべく、蕎麦道を修行中の私です。

 赤土の蕎麦粉で掻いた「二たての蕎麦掻き」はきめ細かで、美味しかったです。My石臼って、けっこう良いじゃん!
 あっ、赤土の蕎麦の実が良いのは言うまでもないことですからね!

■ まとめ

 金砂郷の「常陸秋そば」って、美味しいです。 My石臼は嘘を言いません。

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