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■ 石臼奮闘記 その5 (石臼についてのうんちく)

 石臼の事を学んでくると、石臼は古いけれど立派な精密機械であることが判って来ました。

 最終的な目的は、石臼の全体にわたり、縁(ふち)で均一なそば粉を挽くことです。
 石臼はふくみがあるので、外周部分の縁で最後の仕上げの微細な粉砕が行われるのです。

 私が購入した石臼はまだ完成品ではありません。 確かに溝が彫られていて、そばの実を潰すことは出来ます。

 でも、臼の外周の全周で!となると、そうではないようです。 つまり、細かく挽ける部分と粗く挽ける部分があるのです。
 グラインダーでそれっぽい溝を付けただけのレベルですから、それも仕方ない事だと思います。
 (とうもろこしなどの穀物を挽いて、食べるだけなら今のままでも十分使えます。)

 ここで、粉を挽くということを考えてみます。
 粉が細かい=隙間が狭い=一部が出っ張っている=周囲より、盛り上がっている
 粉が粗い  =隙間が広い=一部が凹んでいる   =やっぱ!周囲より凹んでいる

 これは、下臼、上臼に共通の話題であり、両方をがんばって粉が細かくなるようにレベルアップしないといけません。
 片方だけでは問題は解決しません。 喧嘩両成敗!ってね! 究極は全ての縁において、全てが出っ張っている石臼です。

 え、判りにくい! そうですねぇ、ではもう少し具体的なことを説明してみます。
 知る必要のない人はもう読まない方が良いですよ。 単なる無駄知識ですから!

 「目立て」という言葉がありますが、これは深い溝を掘ることではありません。 石臼の表面に彫られた深い溝は、
 そばの実を外側に押し出す働きをします。 つまり、下臼の溝にはそばの実の欠片が入っていて、上臼の溝との間で、
 丁度、鋏(はさみ)が合わさるかのように、振舞います。 すると、欠片(かけら)は外側方向に運ばれるのです。

 ふくみと呼ばれる石臼の隙間(上臼と下臼の隙間)は、中央の方が大きく、外側にいくに従い狭くなっています。
 ですから、最初は大きかった粒も砕かれながら、より狭い方へ移動して、更に細かくなっていくのです。

 で、最後に一番肝心な微細な粉にするのは、臼の縁の平らな部分です。そこがガラスの様にすべすべだと、粉には
 なりません。 ですからその部分が細かいヤスリ状であることが必要なのです。
 つぶすのではなく、挽くという意味がここにあります。
 そばを挽く為の臼にはこの平らな部分がないものが多いのですが、抹茶を挽く臼にはこの平らな部分があります。

 目立てとは、上に示した出っ張り部に適度の粗さを与えることで、ここをタタキと称する道具で叩いて加工するのです。
 つまり、出ているところを傷つける(一度に大きく取り去るのではなく、ヤスリ状に傷を付ける。=少し凹む)です。
 凹んだ所を叩くと、もっと凹んでもう最悪になります。(当たり前か)調子にのって一度にガンガン削ると、大事な臼が無く
 なってしまいます。 こつこつやるのが良いようです。

 この目立て作業を繰り返し行い、次第に全体が平らになるように、ドレッシングするのです。
 ですから、臼は使えば使うほど均一性のある(粗い粉が出ない)良い臼になっていきます。
 とにかく、つかってみてそば粉の品質でドレッシングの必要性を見なければ、品質の判断が出来ませんからね。

 全体をドレッシングする必要はありません。大事なのは縁近くの20mmほどの範囲です。 ここを見る目を鍛えれば、
 良いそば粉が手に入るのです。(と、信じています!) 失敗しても、食べるのは私ですから、問題無し!って事です。

 目の細かいそば粉を挽くには、入れるそばの実の量を少なくした方が良いようです。 石が当るのが嫌でつい多めにして
 しまいますが、それだと隙間が大きくて細かくはなりません。良い臼なら上石と下石とは当らないものだと、判って来ました。
 また当たっても、それで判るような石がそば粉に入ることはありません。 普通は、そばの実にまぎれこんだ小石が入って
 しまうのです。

 出てくるそば粉を目で確認(色具合)しながら、細かいそば粉を作ろうと思っています。
 ますます、石臼の加工がライフワークっていう気がして来ました。

■ まとめ

 いかがでしょうか? 石臼が精密機械だと云った意味が少しは伝わったでしょうか?
 使えば、使うほど、精度の上がっていく代物です。 段々良くなるなんて、眉唾のようですが、、、不思議だが本当だ!

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