■ ヒューズ(FUSE)は悪くない!
知人の家の掃除機が壊れたそうです。哀しい話ですね。
とはいえ長い間ガンバッテ働いてくれたのですから、ご苦労様と声をかけてあげましょう。
その知人はとても好奇心の強い人なので、その壊れた掃除機を自分で直そうとしたそうです。
ばらしてみると、ヒューズが飛んでいるのが判りました。
そこで同じ容量のヒューズに交換しましたが、また切れてしまいました。
2度ともなると、ついに切れた知人はヒューズの容量を二倍にしたそうです。
すると、こんどはヒューズは切れませんが、モータの回転数が上がらず、正常な動作はしません。
そこで、やっと知人はこの掃除機の修理を諦めたそうです。
皆さんは危ないですから、決してこんなまねをしてはいけませんよ。
どうもこの知人は考え違いをしているようですね。 切れたヒューズが悪い!と思い込んでいるようです。
ヒューズは発煙や発火などが起きないように!保護することが目的で入っています。
それが切れると言うことは、発煙するかもしれない状態になったと言うことです。
それなのに悪い部分の処置をしないで、ヒューズだけを換えるとは、自分で放火しているようなものです。
ましてや、容量を上げるなんて、自殺行為です。
モータには電気的な接点(ブラシ)があり、常に擦られる状態にあります。
で、擦られた部分は少しですが削られるのです。この削られた接点素材はモータの回転により、あちこちに飛び散ります。
この接点の削れたかすが絶縁物なら良いのですが、電気を流すので始末が悪いのです。
ていうかぁ〜、絶縁物なら電気が流れないので、接点にはなりません。
それらの微細な破片が、100Vの電圧がかかった接点のまわりに次第に付着するのです。
で、ついには絶縁が破れて、異常な電気のルートで電流が流れます。ショート!です。
一般的には絶縁されているべき接点間に異常な電流が流れ、一瞬にして激しい火花が出ます。
もちろんこんな電流が人間様を流れたら死んでしまいますから、接点の部分は閉じられた箱に入っています。
とはいえ、冷却の必要があり風の流れが必要ですから、密閉はされていません。
ですから、普通の方はそう心配する必要はありません。二重絶縁とか、安全にはそれなりの配慮がなされています。
ですから、使いこんだ掃除機の接点の異常による発煙・発火を防止・保護するためにヒューズは入っているのです。
訳も分からず、切れたからヒューズを換える行為、これって罪じゃないの!
このように普段何気に使っている掃除機も正しい使い方をしないと発火する要因を持っているのです。
ここまで読んで下さった皆さん、少し賢くなりましたね。
■ まとめ
フューズは使い込んでくると次第に細くなり切れやすくなることがあります。
このような状況で切れた場合には、他の要因がないのでヒューズを交換しても問題はありません。
何万時間というオーダーの話ですけどね。そこまで原因が分る人なら、ヒューズを交換しても何の問題も起きないでしょう。
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